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島口 | 標準語 | 用例・意味等 | ||
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ワ | 吾 私 俺 |
ワ、ワンとも同義語。吾子(マグ)、愛娘、一般の愛称にも使う。ワがしたら難なくできる。 萬葉集に「吾をまつ津ばきふりすなゆめ、吾を吾とのみ云ふは古語なり。」 民謡
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ワァー | 豚 | ウヮアが表音面では正確と思うが表記は困難である。 ウヮンシ=豚巣、豚小屋。 ウヮーシ=豚肉。 ウァンアケ=豚垢、三年垢。 ウヮンクス=豚糞。 豚小屋に類する貧弱な住家や汚ない住家にはウヮンシ。豚糞に類する者と何れも卑称。ウヮンシは周囲を石垣で囲み、一方は丸木を打ち込み葛で括り付けて出入り口にする。古くは(昭和5、6年頃)独立した便所の建物はなく、豚小屋の石垣から糞を垂らして豚に食べさせたものである。伝えによると糞を食わしたら、ブラウヮー(脂豚)と称して、内部に泡状の粒ができる。これを嫌ったとのことである。 ウヮントネ=豚田舟。トネはタフネの訛りであろう。丸木をくり抜いた舟状のもので豚の飼料を入れる容器。田舟は苗運搬のほかに、本稲(フンニ)の栽培時に人糞尿を入れ苗の根を一夜つけてから定植していた。田舟に入れる肥料は人糞尿のほか、汚物、雑飯等を肥溜に腐敗させたとのことだが、科学的な価値もさることながら、稲作習俗の霊力を重視した素朴な願いがこめられていたと思う。 豚骨料理の由来は、奄美の島々が琉球に服属していた頃に求めねばならない。琉球は支那の册封使を迎え朝貢貿易をしていた。册封使一行の接待は豪華なもので、正副使者には20椀料理、随員には12椀料理で接待した。従ってはじめは中国から庖丁人を招いていたが、後から中国へ留学生を送って中国料理を勉強させた。料理は豚や野菜や乾物などで、沖縄の気候、風土に合った独特の琉球料理をつくった。この祝宴料理は宮廷料理になり、金持階級の家庭料理、そして庶民の家庭にも広められた。(ウヮーの項と重複の部分もある。) |
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ワァーウリジン | 若ウリジン。ウリジンの季節の序の口。旧暦二、三月頃。ウレジンの項参照。 民謡
俚諺
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ワァーデラ | 産後 | 出産後の母体。かって産後は熱病などの病におかされる者が多く、ワァーデラの保護には十分注意を払った。ワァーデラ飯米(バンメ)と称して、米粒が糊状になるまで煮つめた熱食を与えた。また、産室では保温のため薪を燃やすなどした。ワァーデラ病(ヤ)みの最大要因ともいう炊事仕事を嫌う傾向はとくに強かったと聞く。ワァーデラ当番(ワンデー)の諺の如く、細心の注意と多大なる負担がかかったとのことであるが、今日のそれとは比較にならないばかりか、想像もできない程であった。 | ||
ワイ | 豚肉の脂肪。豚肉の白身(シルミ)のこと。 | |||
ワイワイ | 激怒すること。ワイミキーも同義語。 ワシミキ=神経が昻ぶる。やたらに力む。神経質になって力む。 |
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ワキ | 腋 | 腋毛(シギ) ワキクジ=腋をくすぐる。 クジシリ=くすぐること。そば、かたわら。 |
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ワク | 糸巻 | 長さ25、径10cmの四角形のワクに糸をまいて凧上げをしたものである。戦前のことサーイチュ(織具)を払い下げて延々数キロの雲の上高く凧を上げ、強風のため断糸されると凧は別だが、糸は捨てるわけにいかず、山野を彷徨って探し回ったものである。 | ||
ワク | 仕事 | 田仕事(ワク)。雇仕事(ヤテワク)。労力交換(ユイワク)。苗代(ノーシュ)仕事(ワク)。 | ||
ワタ | 腹 | 腹痛(ワタヤミ)。腹太(ワタブッタ)。腹根性(クンジョウ)。下腹(シュウワタ)。 ワタブックェ(腹膨れる)=満腹して消化不良の状態。臭い匂の呼気が出る。万葉集に「みなのワタかぐろき髪に」とある。 俚諺
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ワタグシ | 内密の貯え | 私(ワタクシ)の意か。フタグシ衣(ギン)。落ち穂拾い、卵(クガ)金、手間などを貯え、内密に使える金。または物品。 古
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ワッキャ | 我等 吾達 |
ヤッキャ=汝等 ウッキャ=汝等 ウイタ、イリタ=貴方達。呼び捨てと敬語の区別がある。 民謡
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ワナグ | 女 | ワナグワレ=女の子供。ワレはワラベ(童)。 俚諺
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ワレ | 童 子供 幼児 |
子供達(ワレンキャ)。子供(ワレ)正直。 民謡
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ワロ | 悪 悪童 奴 |
悪者(ワロムン)。悪者達(ワロキャ)。根性がある。
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ワロイ | 笑い | 泣(ナ)き笑(ワレ)い 俚諺
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ワン | 私 吾 |
ワと同義語。 民謡
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