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島口 | 標準語 | 用例・意味等 | ||
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ティ | 手 技 技能 人手 |
ティチキ=手つき、手抜。 ティナレ=手習い、勉強のこと。 ティチキャマ=手細工。指先細工。 俚諺
民謡
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テェー | 嶺 岳 頂上 高さ 丈 せい |
インタブデェ=犬田布岳 手々=四つの岳や嶺に囲まれた部落地名である。 |
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テーイ | うめく | 病人の苦痛を訴えるうめき声。牡牛の鳴き声。雌牛の鳴き声と区別して言う。 | ||
ティチ | 一つ | 一つ(ティチ)、二(ター)ち、三(ミィ)ち、四(ユー)ち、五(イチ)ち、六(ムー)ち、七(ナナ)ち、八(ヤー)ち、九(クヌ)ち、十(トゥー)。 年齢、数の単位。十一(トゥーテーチ)・・・・・の順に数えていく。 |
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テノキバナシ | 諺 俚諺 |
殆んどが教訓めいた内容が盛りこまれている。 例1.親(ウヤ)拝(ウガ)で神拝め。筆者の拙稿「徳之島の俚諺集」に160例のテイキバナシを収録してある。地炉辺や夜業(ユナベ)の場で祖父母がテイキ話や昔話を語ったと言う。 |
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テェク | 太鼓 | タイコの転訛音。大木の彫り抜き太鼓と桶輪の太鼓の二種がある。皮は牛馬の皮を使う。牛皮は強いが音の響きがよくない。 テクウチベン=太鼓打ち役。八月踊りや祝い唄の太鼓打ちは熟練者が当る。 イイキリバナシ=なぞなぞの一つに、”ウタンテクヌ ナルンテク ヌーガ(打たない太鼓、鳴る太鼓何でしょう。)答は雷。 |
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テェィダ | 太陽 | テラ=照の縁語か。 テダガナシ=太陽加那志。太陽神の尊称。主加那支、稲加那支、月加那支、親加那支等と呼ぶ。豊耕時代初期の太陽信仰の影響によるものと考えられる。アニミズム思想は現在も生活に深く根ざしている。死人は入棺する直前まで蚊帳や白布で囲み陽光にあてない。葬送の途次は家族の者は傘を半開きにして陽光を避ける。また改葬の頭骨も直接陽光にあてない等、陽光を神聖視してきた。カミムスビオヤノミコトノトダル天の新巣。のトダルの縁語か。 正月唄
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テェギョ | 手竿 肩竿 |
水汲み用の肩竿。棺桶をかつぐ木竿。簡易水道が施設されるまで、担ぎ竿は広く利用されていた。長さ1.5m程の木竿に1斗ブリキ缶を吊るし二人で水運搬した。放課後の子供の日課であった。 | ||
デェクネ | 大根 | あぶらな科の植物で根は白色を呈し葉とともに食用。正月用の冬野菜としても重宝がられ、オーバン木(オーバリ・注連縄)に吊るして神事をなすのに欠くことができなかった。 アーデェクネ=赤大根、人参の異名。 デェクネワーシ=大根煮 |
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テサジ | 手拭 | トヌゲ=手拭い。古くの習俗に、青年男女の贈り物として「色染の手拭」があった。求愛のしるしにテサジを贈ってお互いに愛を確かめ合った。素地としての布もさることながら、色染のテサジは真心がこもっていた。 五尺手拭
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テチカン | 手掴み | 手で不作法に掴むこと。手掴みで食べるテチカンの民俗=島の習わしとして、茶請などを手の平にすすめる。容器の問題からきたのか、生活面の影響を受けたのか。 | ||
テチキャマ | 手細工 | 竹製の篭、藁製の縄、緒など手細工でできる技能のこと。 テシギュト=手仕事 民謡
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テック | 筆子 | 亀山天皇、文永3年(1266年)王尚円の時代に琉球に服属、当時の職階の一つである。按司大親、与人、目指、筆子、掟役などあった。筆子は大親、与人の指揮に従い庶務に従事した。慶長14年(1609年)薩摩藩に服属後は、按司は除かれ掟役の下に功才、居番が加えられた。 | ||
テフチク | 手懐 | 手を懐の中に入れる。温情な境地にひたる儀。大変大事にされる。 ウヤフチク=親懐。親の愛情。 |
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テブイ | 手笛 | 指を口に入れて高い音を出す。野山での合図に手笛をならすことが多い。古歌に「テアンブイ」とあって、恋唄に多くみられる。 民謡
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テマ | 手間 手数料 賃金 雇賃金 |
テマトイ=賃金取り | ||
テマイ | 手舞 手踊り 小踊り 手招き |
喜びごとの瞬時に手をあげ、体を動かして感動する挙動のこと。殊に闘牛のテマイは情熱をこめて表現する。 闘牛口説の一節を紹介しておこう。
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テラ | 寺 | 神社や祠も寺と混同する場合が多い。 徳和瀬の白嶺神社に”和瀬寺”鎮守の森に”寺山”と呼んでいる。徳之島の神社に関する記録を次に述べよう。
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テル | 籠 | 竹製の籠で背負って物を運搬する道具。小さな籠は「イボロ」と区別される。島の”テルハンゲ”(籠背負い)とは、緒を頭にかけて背負う独特の方法がり、百余斤の砂糖樽も運ぶことができる。 クサカイデル=草刈籠 カメジアッキデル=商用籠 クェーハンゲデル=肥料運び籠 アロデル=特大籠 等の名称が示すように形、材質、使途の別があった。テルを背負うと衣の損耗度がひどいので、特製の”ウジョ”(布紐の厚織反物)などの上衣を着た。ムチムレにはテルを二人で担いで各家々を回る風景が見られるが、面縄は”イボロ”を竹竿の先端に括りつけて餅を貰う。”タテ草”を盗み刈ったり、他作場の草や作物を刈ったりしたら”テルカマ”(籠鎌)を没収された。没収後の”作見回り”の記録が轟木に保存されている。 |
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テンガブ | 手瘤 手拳 |
こぶしで叩くこと。 「私(ワン)ね固(クヮ)手拳(テンガブ)打ち冠(カ)めらさるめー。」教訓の一方法として常時の生活用語である。 |
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テンガマ | 手悪戯 | テンガマムン=手悪戯の多い者の称。 | ||
テンゴマ | 手ゴマ 手馬 |
子供を肩にまたがらせて、両手を握るか、頭部を支え、両足を胸に垂らす。馬乗りの姿勢に似ているところから”手馬”と名付けたのか。肩乗り、馬乗りと同様に騎馬戦のゲームもしたり、子守にも適していた。 | ||
テンチキゴウガネ | 天突豪金 | 天から地に続く針金に例えた、雨の別称。古く”イイキリバナシ”の問題として子供達になじみ深かった詞である。「テンチキゴゥガネ ヌーガ」?・・・・・・の設問。 | ||
テントゥ | 天 天道 お天道様 天帝 天の神様 |
テントガナシ=天道加那支。加那支は尊称。天を神聖視するアニミズムに基因するものであろう。古来の神々の座はお嶽、森、頂上など高遠なる聖地におわした。 | ||
テンビャ | 手平 手の甲 |
シャンビャ=下平。足の甲。 サンビャの項参照。 手や足の甲が平たいのでこの称があるのか。 サンビャブッタ=下平広い。素足で歩くため足平は広く平べったい。 |
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テンワタ | 手腹 | 手甲の裏面。背と腹を表と裏の意味に解する。茶請などの食べ物を手の平にすすめる土俗が残っている。 | ||
デンケ | 悋気 嫉妬 やきもち |
男女間の嫉妬 | ||
デンジ | れんじ(檽子) | 木製の格子のある窓。 | ||
デンボゥ | 筍 | デンはデーで竹の棒。従って筍のこと。食用筍はガランボゥと言って、ま竹(ガラ)とコサン竹のこと。デンボゥは野菜代用として食べれないことはないが、味が悪く好まれない。 | ||
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