ここから本文です。
ア行 | カ行 | サ行 | タ行 | ナ行 | ハ行 | マ | ミ | ム | メ | モ | ヤ行 | ラ行 | ワ行 |
島口 | 標準語 | 用例・意味等 | |
---|---|---|---|
ミ | 肉付 | 汁の中の固形物の総称。殻に対して実の意か。 闘牛の様に肉が着いて(トレウシッテム ミ ヌイッチ)。実の方を入れて欲しい(ミ ヌ ホゥグヮ イーテクェーレ)。 |
|
ミ | 身 | ミムチヌワサヌ ウラライ=心持ちが悪くて困っている。気分が秀れない様子。 俚諺
|
|
ミーヤ | 新家 | ミィヤユェー=新家の建築祝い。古く家屋建築材は島の材が使われた。材木を山で代るとき山大工(デク)と稱する呪者(山方・山神)の祓い神事があり、大工初めは下(シュウ)大工が神事をなし、完工したら新築祝いがなされた。 ミーギン=新衣 ミータ=新田。新墾田、購入1年目の場合に新田祝いが盛大になされた。近身の者は労力の提供(傭い飯(ヤテイバン)、酒や馳走を提供して祝った。 |
|
ミィ | 目 | ミィタマ=面玉、眼球。 ミィムドチ=目戻して。視力が減退して見にくいこと。 ミィクルデ=目がくらむ。金に目がくらむ。 ミィンシギ=まつ毛。 ミィンニャウ=眉、目の眉。 ミィックヮン=盲、文盲。 ミィシキョロイ=眩しい。目が光るの義。 ミィンコウ=目皮。瞼。 ミィンアンバ=目脂。 |
|
ミィ | 兄 | 目上の意か。また年上の義にもなる。 | |
ミィウチ | 瞬き まばたき |
ミィウチシュッキャ=瞬時。短時間のこと。 | |
ミィクジリ | 穴探し | ミィは穴、隙間のこと。 ミィフイ=穴掘り。埋葬の一役は近身の者が負う。 クジリ=此処彼処といじり回すこと。小鳥が囮から逃げ出そうとして隙間探しをすること。 |
|
ミィガネ | 眼鏡 | 普通はミィガネで通じる。水中眼鏡にはミィカガンとも呼ぶ。水中で泳ぐミィカガン、水中で獲物を探して見る箱ミィカガンがある。ミィは水または見るよりも眼の意が強く、カガンは鏡の意。「箱水眼鏡」というわけ。 | |
ミイヂル | 女弦 | 三味線の弦。下弦で低音がでる。下から女弦、中弦(ナージル)、男弦(ウージル)と呼ぶ。 民謡
|
|
ミキャヂキ | 三日月 | 陰暦三日のこと、また三日月のこと。 | |
ミキャムドイ | 三日戻い | 婚礼後の三日目に里帰りすること。三の数字の魔力(仏教の影響)に縁起を求めた人生儀礼の一つ。 | |
ミキャメ | 三日目 | ミキャメヌワーイ=三日の別れ。死後三日目の弔事で、弔家の近く三叉路で三家族の者が糸を三か所に引いて別れて行く。何れも後をふり向かないで帰る。三叉路には葬儀に使った「笊、竹箸、柄杓、木灰」などを捨てる。死霊を外に誘導し迷わせる意であると伝えている。 | |
ミシギョ | 禊川 みそぎ川 |
身を清めるためにみそぎをした川。古く巫女達が祭儀の折に斎戒沐浴した川のこと。また、溝川の字義よりして溝状の川の称であるとも思われる。 | |
ミジガメ | 水甕 | 雨水、川や泉の水を溜める容器のこと。水道が普及するまで水甕の使命は重かった。 アンバガメ=脂甕。酒甕。味噌甕。藍甕とその需要に応じて呼び名も違った。脂甕とは正月豚肉を脂に溶かし肉と一緒に甕に入れておき、数か月間にわたって食用とした。蛋白の唯一の補給源として親しまれてきた。水甕は普通炊事場近くに常設され、7、8斗入りの大きいのが多かった。水汲みは学童や婦女子の役で、ニョウシガテ(両方担ぎ)と称して、1斗馬穴を竿の中央に吊し両端を担いだ。本土からの酒甕とは別にシィダケ(密造酒)を甕壺に入れて人家の遠く地中に埋め密かに小出しして飲んだ。昭和35年頃まで密造酒は出まわったが、現今全く見当たらない。味噌甕の民俗はユニークな内容が多い。イチュミシュ・ユトミシュ(2年・3年味噌)と言う赤味噌は味が甘く、多人数の雑炊を炊くのに不可欠であったし婦人の世帯経済維持の優秀さを示す尺度にもなった。藍甕は藍玉の容器として各種の大きさのものが使われた。沖縄移入品が殆んどで現在も各地に見られる。 |
|
ミジク | 牛馬の腹の部分の名称。背骨に近い腹部のこと。水を多量に飲むとミジクが張って見える。闘牛が激しく動いたらミジクカラゲテ(腹部の鼓動)と称し、雌雄を決するバロメーターにもなっている。 | ||
ミジグムイ | 水溜り | 人工的に窪地を掘って水を溜めるところ。泉や川水に恵まれない作場には溜りを掘って水をため、飲み水として利用した。ミジグムイに縁のある地名も残っている程である。粘土質の地点を選び周囲には草木を植えてその保全を図った。 | |
ミシゲ | 飯木 杓子 |
ミシゲブネ=健康骨。飯の木が源か。それとも飯餉か後考を待ちたい。 | |
ミシジ | 三本 | 小量の称。 「これごく僅少ですが(クリ チュウシジグヮ ヤシガ)」と使う。 民謡
|
|
ミシティムン | 身捨て者 向う見ずの者 |
または身持ちの悪い者の称。 俚諺
|
|
ミジムイ | 海人草 駆虫薬 |
幼少の頃に海人草を入れた雑炊を食べたことを記憶している。ミジは水で、ムイはモ(藻)の意か。 「ホンダワラ」にも「ム」と呼んでいる。 |
|
ミシュ | 味噌 | 明治時代には糠味噌が王座で、味付には塩が用いられた。芋は濃い潮水で煮て食した。蘇鉄実、豆、麦、米を材料にした味噌が漸次普及したので糠味噌は姿を消した。食生活と味噌の関係は深く、味噌の民俗も興味深い。アンバミシュ(脂味噌)は豚脂と味噌、センモト等を入れていためてつくる。巨大なカサ包み弁当に脂味噌を副えて手拭いで括り腰に下げて出で立つ風情は忘れ難い思い出である。(全島慰(ナクサ)み)ユレミシュ(寄り合い味噌)の習俗は現在もみられ近隣相寄って味噌を搗き、飲み食いを共にする。かっては味噌搗きは日柄を選び吉日になされ搗き祝いも盛大にしたと言うが近年ほとんど聞かない。 | |
ミシュチキ | 味噌搗き | 日柄を選んで味噌を搗く理由は、収穫、収納の意義の別に、搗いた味噌が美味でしかもいたまず数年貯えられることを祈願したものと思われる。原料はもとより、カセ(横物)・コゥジの状態・塩加減・練り加減等様々な条件が一致してはじめてインチュミシュ(2、3年の古味噌)に昇格できたと思う。搗き手は近隣同士。或いは近身の者が集まり労力奉仕をする麗しい美徳がみられる。 | |
ミショチ | 召候 召上がって |
モォイショレ=参候得 民謡
|
|
ミチギリ | 道切り 縁切り |
親子兄弟の道切り。ここでの道は路ではなく親子の縁を切ることである。即ち何れかの一方が人道を踏み違えた場合、社会的立場上において交際を絶つこと。ミチギリ後は、一切の交りをせず親族扱いもしない。 | |
ミチャイ | 三人 | 一人(チュイ)、二人(ターイ)、三人(ミチャイ)、四人(ユダイ)、五人(イチダイ)、六人(ムダイ)、七人(ナナタイ)等の如し。 俚諺
|
|
ミックヮ | 新子 | 民謡
|
|
ミックヮヌシュカィ | 新子の潮掛り | 浜下りの日、新子はニンニクを糸に通して胸に吊して海辺に下りる。波打ち際で潮掛りの神事がある。大人が指で潮を新子の顔につけ災禍を祓う。 | |
ミナト | 港 | トマイ(泊)とも言う。トマイグチ=港口。 浜下り唄
|
|
ミフユ | 新冬 | 民謡
|
|
ミメェ | 見舞 | 出産、新築、旅行、慶事、新田畑祝い等には見舞いがつきもの。 | |
ミヤ | 広場 闘牛場 |
宮の広場、祭場、境内の縁語か。 | |
ミヤゲ | 新家餉 | ミヤゲフキ=米の汁を四隅の柱にふきつける。茅葺屋根を葺き終わる夕刻に、ミヤゲバンを炊いて角柱に粥の汁をふきつけ、虫や蟻の災害がないように家屋の安全を祈願する神事がある。 徳之島郷土研究会報第5号「徳之島のミヤゲフキ神事」の拙論がある。 |
|
ミャシ | 箸 | ニャシも同義。弔事の竹箸は三日目の別れの場所に捨てる。盆のとき祖先棚に供える箸は、藁箸か萩箸である。浜下りの釜祭りの竹箸は数が多い程良いとされる。それでは折って数量を増す行為があった。 | |
ミヤマ | 深山 奥山 |
民謡
|
|
ミョウデ | 名代 | 甘蔗の圧搾車はアラングヮシ(荒搾)、ニドングヮシ(二度搾)と二度蔗茎を絞る。荒搾のきびがらを自動的に送る装置にミョウデという。意味からすると代手が適当のように思える。人手の節約上からは文明の利器だったが、十分役立たず、中に粕が停滞するに及んでは大きな事故も起きた。彫拔いたもの、トタン板製のものと工夫された跡がうかがわれた。 | |
ミン | 耳 | ミンクンジ=耳塞がり、聴力がない。 クンジ=塞がること。 ミンジャネ=中耳炎。 ミンクス=耳糞。 |
|
ミンガメ | 耳甕 | 甕の上部に耳状の形をしたものが二個から四個焼付けてある。実用面では吊ったり、蓋を括りつけたりする装置であり、他面装飾にもなった。竹籠の緒を通す装置にもミンと呼ぶ。 | |
ミングイ | 菌生 | 枯木に生え食用となる。これも耳と類似している。きくらげ(木耳)のこと。 | |
ミンジテ | 溝じて | 川水が満水になり濁流として流れる。尾母と亀津間に通称「人呑川(チュナミゴ)」がある。ある妊婦がミンジ川を渡ろうとして流されたと伝え、川下の奥名橋近くでは死者の霊が夜間に出歩くのが見られると言う。 俚諺
|
|
ミンチャブ | 耳朶(みみたぶ) | ミミタブの訛り。 ミンチャブハラメカシ=耳たぶをはられる。 |
|
ミングクロ | 耳袋 耳下腺炎 おたふく風 |
耳の下部が袋状に腫れあがる。 | |
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください