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島口 | 標準語 | 用例・意味等 | |
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ニァー | 叔父 伯父 |
自分より年輩の男性にもニァーと呼ぶ。中年男子の尊称。童(ワレ)名の下に付けて呼んだのか、それとも尊敬の意を示すためにニァーを付けたのか厳密な区別がない。ニャーシとなると後者の意義が強くなる。キンニャーシ(祖父・老父)は伊仙地区で広く使われている。 | |
ニィー | 見る | ウシニィガ=闘牛見物に。 俚諺
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ニギャイ | 苦い | 部落によってインギャイともなる。 | |
ニギャシュ | 苦潮 | にがい潮を飲む=溺死する。 ニギャシュ、インギャシュ=苦潮、苦塩。後者は食塩が潮解していたたる苦い液、豆腐製造の過程で用いる。ヌギシュとも言う。 民謡
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ニジュウサンヤ | 二十三夜 月神拝み |
二十三夜の月は真夜中に昇る。それまで起きて焼香を続ける。月出と同時に、月に似した親餅2個、星に似した小餅(団子)多くを重に入れて供える。外に神米(シンメー)、神酒、シダラ(藪肉桂)の葉を供えて神祭りを行なう。1、5、9月の十七夜から二十八夜までのうち吉日を選び祭る。吉日は呪者が指定したと思われる。 近年の月神祭りは月の出を待たずに、現代風で早々行なわれ、拝む家も現象しつつある。 |
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ニセ | 二才 青年 若者 |
ネセメレ=青年処女 ネセワレ=青年童児。ニセとネセは同義で表音の違い。 民謡
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ニチュイ | 似る | インチュイも同じ。 俚諺
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ニャ | 蜷 | コンニャ=川蜷 マイキリコンニャ=尻切川蜷 眼病治療の食事として重宝がられていた。 タンニャ=田蜷、たにし、海の浅瀬の小さい貝にもニャと称し蜷(ニャ)拾(ヒ)れで賑わす。 |
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ニャー | 中 内側 |
ヤンニャー=家の中。ナカ、ナの訛りか。 | |
ニャーシ | 箸 | ミャーシとも言う。 物語を唄に歌ったと言われる「まんま口説」の一節を紹介しよう。 口説
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ニャートゥ | 稲当 | 稲を乾燥して丸積みしておく場所。稲の調整をする広場。神を祭る聖地。古くは稲の収穫は自分勝手にできなかった。一定地点に稲束を集め神祭をして後に稲刈が一般的になされた。この制度は祝女の祭政一致の行政と強く結びついていたように思われる。神田、祭田、賜田の稲穂を女神官が祭ってから周辺の刈取りが始まった。亀津、亀徳にニャートの地名が残っている。 | |
ニャートォ | 蜥蜴 とかげ |
木に登ることができるうえ、保護色で身を守る。別に土中に穴居する種類もある。 | |
ニャンク | ニャ(蜷)の入れ物 蜷貝 貝殻 |
クは入れ物、殻の意。 トーランク=俵袋。藁製の米を入れる袋。 イラブドーランク=永良部島民の食欲は他の島民より大きいと言う。食欲旺盛であることの称。相手の卑称にも使う。 |
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ニョ | 綱 | 牛馬に荷を着ける丈夫な綱のこと。 ウシニョ=負縄。鞍に荷を着け括る縄。(薪、米俵など)。 シキニョ=引縄。荷を引かす。(砂糖樽、大木など)。 ニョの語源は、ニャダマ(イニャダマ・稲魂)のニャがニョに訛したのか。稲当、イニャトゥ、ニャトゥ、ニャトと変わり、稲をニョとし稲藁の縄、綱の意と解する。 稲を束にして稲当に積み、祝女の神事後に脱粒収穫がなされていた。その稲束をする藁縄にユイノゥと呼ぶ。ノゥはニョと同義語ではないかと思う。結(ユ)い縄で束を結えることである。所謂、神事と稲藁は切り離しては考えられないからである。 |
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ニョ | 蓑 みの |
棕櫚やクバなどで編んだ雨具。飛躍した提起になるが、稲藁製の蓑の縁も考えてみたい。 ニョカサ=蓑笠。古く農家の雨具として貴重であった。雨願(ネゲ)い祈願のときニョカサを着て、高頂、森、神社などで雨願い踊りを熱狂的に踊った。近年、雨具の改良が進み、蓑笠は全く見られなくなった。徳之島町母間はニョカサの名産地として名高い。 |
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