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島口 | 標準語 | 用例・意味等 | |
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イィジマ | 小さい | イィジマムン=小さな者(物)。卑称に用いる。 | |
イィリ | 男の兄弟に女からいう称。 ウナイイィリ神話伝説がある。 |
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イェー | 洞穴 ほらあな 岩穴 |
イェンミィ=岩穴。岩陰。風葬第二期の頃の葬祭場であった。イョーも同義語。 | |
イキカジ | 生きかじ 悪童 悪党 |
悪徒のこと。徳之島小史によると「サイカジ」(人名)が悪党であったことから「カジムン」の語が使われるようになったとある。 カジ=織維をとる植物に由来しているのか、ワロ、ヤマシなどと同義語。 |
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イキブッタ | 息太 ものおじしない 大胆 図太い |
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イキヌゲ | 息脱 息逃 臆病 大胆の反対 |
イキヌゲムン=小心者。 | |
イキミィ | 生き目 | 生きている姿。親の生き目に会う。 | |
イキンキン | 行来 行きん来 |
往復行ったり来たり。 | |
イキャガライ | 恥ずかしい | きまりが悪い | |
イキャシガ | 如何か | 「いかに」の約 | |
イギィ | とげ 棘 野ばら 魚の骨 |
ニギも同じ。 | |
イギャイ | 苦い | イギャウイ=苦瓜 イギャミジ=胃液の混じたもの |
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イギャネ | 遺言 教訓 |
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イクトロ | 幾人の尊称 幾家族 |
古伝=称徳記の宣命に二所(フタトコロ)の天皇(スメラミコト)とあり、俗に御一方、御二方というに同じ。 | |
イグ | 抉ぐ 谷 谷間 山の窪地 |
イグバテ=谷間の畑、溝にはインゾと言い、インゾ インゾ イゾの転か。 | |
イケィバ | 向け場 迎え場 迎え討つ方角 |
方角は信仰は広く分布している。神宮館九星木暦(高島易断所本部編葉)「「あきの方、歳徳神」の方位は一か年の言方で万事に用いて大吉である。初詣でをこの方にすれば家業繁盛の基となる。」とある。闘牛のイケィバトイも、入場の前後も意義がありそうである。 | |
イシビヤ | 石火矢 大砲 |
琉球では国王の道行に矢を放ったと伝えられている。 | |
イシミン | 石耳 | 耳が全くきかない。 | |
イシレ | 石レ 身捨物 怠者 甘えん坊 |
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イジャリリ | 乱れる | イチュヌイジャリテ=糸が乱れて。 | |
イジャルチキ | 先月 |
イジャルは行った、去ったの意。
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イジュン | 泉の転。 イジュンダ=泉田、出水田、水の湧く田、水の多い湿田。田植えに先立って、湧水地点で水の神を祭ってから、本田へ移植する。 |
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イダイ | 漁り | 夜間松明などの照明でする漁。 イダイシ=漁に出る。出発のさいは、大漁の話題を話すと縁起が悪いと伝えられている。 |
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イチャ | 板 | イタの転か。 ワキイチャ=わいた板。貧者は板で家の壁ができずに割竹を編んで代用にした。内と外に竹網を、中にカヤを入れて葛で括ったもので、終戦後は各地で見られた。 |
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イチュ | 糸 | いとの転。 イチュギン=糸(絹)の着物。バンシャギに対して絹糸は高嶺の花であった。 |
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イチュナテ | 一昨年 | イチュ=二年忌 イチュナルイ=二年経過した イチュアケィ=一昨年の垢の意。垢が酷いこと。 クド=去年。 ユト=一昨々年。 ヤニ=来年。 ナァイチュ=去来年。 |
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イチュンビ | いちご 苺 木苺 |
赤(アー)イチュンビ、マンシバイ=馬尿(馬の陰物と外形が似ている)。と野苺があり美味である。 | |
イッキャ | 棟の上部に茅を部厚く敷き並べて雨洩りを防止する。風害を避けるため縦横に葛を通して括る。イッキャを強化すため、”イッキャンク”と称する。重くて頑丈な枠で強くおさえて括る。台風銀座の建築様式の特色がここにものぞかれる。イッキャはイラカの訛りであろう。 | ||
イッサトニャウ | 鎌切 | 前肢は鎌状の捕獲肢になっている。イッサトマイ。 | |
イッサミ | 目白 | イッサミ、サミと呼称は異なる。 イッサミカラシ=鳥もちで目白を捕える。 イッサミウトシ=目白を囮で捕える。面縄ではサミが家に迷い込むと「トリマデ」と称する神事をする。トリマデは鳥迷いで、鳥は神の鳥すなわち神の使者と考えられた。全島的に信仰されてきた。 |
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イッスボウ | 一寸坊 | 秋餅「ムチムレ」餅もらいの行列の先頭に立つ者が藁人形。各家々に神の使者として藁人形が幸福をもたらすと考えられる。イッサンボゥ。イッサンサン。(伊仙町) 民
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イッソ | 何時までも 長時間 永久に |
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イッペェ | 彼方此方の意 あちらこちら 方々 |
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イトマン | 糸満 | 沖縄の地名、糸満町の漁師が徳之島に住みついている人達の称。 イトマンブネ=糸満の漁師たちの乗るクリ船。 イトマンアカブサ=八月踊りの一種。八月踊りの一種。イツマンも同じ。 |
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イナゴ | イサゴ 砂 |
イナゴカヨシ=砂運び。 シナハンゲィリ=砂を篭で運び背負ってくる。 |
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イナムン | 偉な者 異な者 |
相手を賞讃する時に使う。 | |
イナンギ | 麦や稲の穂の芒のこと。古く水稲の中にはイナンギが殊の外に多い品種があった。扇風設備が不備であった頃は、芒が身体や衣に付着してイライラしたものである。 | ||
イヌイ | 満一年になること。 イヌイナシ=1年おきの出産。 一年忌。 |
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イネガナシ | 稲加那支 | 貴重な稲に対しての敬称。 イネシギ=稲の収穫 イネチンジョウ=稲積場、稲積堂、稲積当馬根部落の共同墓地東側の小高い台地のこと。稲の収穫と奉納の祭り、または祭り田、神田、賜り田などの稲を稲積堂で祭ってから、他の稲刈りはできた。稲加那支は神の恵みによって豊作になるとの考えから、或いは祝女の祭政一致の統治に関連した意とも解される。両者の混合か。 イニャダマ=稲魂 ニャァトゥ=稲当。など意義深い。 古
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イノチサカメ | 命からがら 命境目 |
命が切れる境目程の辛いこと心地なく。 | |
イバイ | 狭い | イバミチ=狭い道 | |
イバキ | 嘔吐(オゥト)する 胃吐く |
口や胃の中の物を吐くこと。魚骨が喉にかかったり、食当りしたりなどした時の胃吐く様子。 | |
イビ | えび 海老 |
イビタナガ=海老手長、川えびの大きいものの称。タナガは手長の意で、鉄の大なることの称。また、海老のように大きい川えびの意か。 俗語
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イフェー | 位牌 | イフェーウガミ=位牌拝み、祖霊崇拝。 イフェーは三十三回忌後は焼却する(昇天の神事後)。部落によってはそのまま祖霊棚に残すこともある(面縄)。創価学会の御本尊さんと位牌の座争いの終止符は?。神霊観の観念はデリケートである。 |
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イミィ | 夢のこと | 古伝=古へは凡て伊米と言ふ由来とは言はざりき、寝目米(イメメ)は所見(ミエ)の約りたるにて眠りたる闇に見ゆる由也。北枕は夢を見る。祖霊を雑にすると夢を見させる。蛇の夢は大漁に繋がる。 古
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イミィリ | 請求 | カネイミィリ=金の請求。 イミクッシュ=請求攻めする。複合語になる場合は、リを省くことになる。 ムンイミ=物請求。 |
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イャー | 君 汝 代 お前 |
年下の者にいう。また、相手を馬鹿にした呼び方。 イャネッシュムン=お前みたいな奴。 ウイ=貴方、貴職、貴殿、近年は敬語の区別がおろそかになってきつつある。年少者にもウイと使う花徳部落、聞いて悪気はしない。 |
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イュウ | いお 魚 魚肉 |
古語「いお」と同語源。 イュウクヮーシ=魚食わし、魚釣のこと。 イュウドゥセバン=魚雑炊飯。魚汁は珍味の一つとして重宝がられたが、今日恵まれすぎて、珍とされない。 |
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イライラ | 心のいらだち | 災天で日光に当たる感じ。イナンギ(芒)が身体や衣に付いて皮膚を突くと、心がいらだつ感じ。 | |
イリィ | 入り | 西をイレというも、日入る方を言うなり。 小林桃園氏の高千穂紀行をものせる中に天の瓊鋒(ぬぼこ)というは鉾にはあらで古の日時計也。と上記の孔より日光射入して時を知るが為なり。太陽朝は東にあるが故に目頭といひ、日中は南にありて日光孔より射入し皆見ゆる故、日皆見(ヒミナミエア)といひ、夕には西に去る故日去(イユシ)といひ、北は日消える故日消たというと実にさのことばもあらん。 金沢博士は、西という言葉は去(イニシ)にして我々祖先が後にして来れる方を云ふと曰割れたり。南島に手は、北を真西というも可笑しく我々南島人の祖先は北(マニシ)を後にして来れる者なりと、さらば九州辺より移住せしものならん。(徳之島事情)アガリの項に詳記。 |
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イリ | 錐 きり 三角錐 丸錐 |
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イリ | 貰う | イリムン=貰い物 | |
イリ | 入る 必要 |
ムンイリ=物入り、物資や金を使う。 | |
イリ | 座る | イルンド=座る場所 | |
イリンキリ | 西方の田畑 | 西側に別々になっている田畑。 ネシンキリ=北方の田畑。 |
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イル | 紐 | ひものこと。コイルの転か。 | |
イレ | いらへの訛、返事。 イレムン=返し物。温情溢れる俚諺がある。 俚諺
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イロイ | いろふ 借りる |
カネイロテ=金を借りて、厳密には借りるのではなく、立替の意が強いように思う。 | |
イン | 犬 | インヌックヮ=犬の子。赤子の顔面に煤を∴状に塗ったものにいう。 インゴ=幼児語、生後3、4カ月の幼児に発声の練習をさせる語で、古くは犬子の生命の強さを神霊と関連づけて考えていたので、この習俗は残っていると思う。犬(イン)神は呪言によって相手を煩災に導くといわれ、恐れられていた。昭和30年代にもトラブルが生じた。 |
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イン | 応答の詞。うん、はいに相当する詞。 オゥ=うん、敬語。 |
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イン | 縁 | 男女の縁。 インムスビ=縁結び。結婚、縁の道=結びついた様子。 民
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インガ | 男 | ガは子の意、犬は多産系故、犬にあやかる子たれとの語が多い。 インバラ=孕み腹。 インガワナグ=中世の性格。 |
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インガダチ | 男立ち | 男だけで一家を立てている。未婚の男の独り暮らし、男やもめのこと。 | |
インガミ | 犬神 | 犬は忌むに通ず、岩田帯=忌肌帯、結婚式は戌の日を黄道吉日とする。インの項に詳記あり。 | |
インキャゲレ | 飲き上がれ 召上がれ(尊敬語) |
食物、飯物を食する敬語。 カミィ=噛む。(卑称語)食べるの称。 |
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インギャヂラ | 苦顔 苦面 |
顔の卑称、にがにがしい顔。 | |
インギュミィ | 飲米 はったい粉 麦の粉 |
かって田植えの茶時にインギュミィネギリを茶漬として食した。また、米の代用として、麦粉と芋を混じて食べた。 民
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インジョウ | 井溝 | 川や池から水を引いてくる水路。ニゾも同じ。 ヰンジュダ=溝田。井川当番が管理する田。 ヰンジョバン=井川当番。部落から賃米を支払って井川の当番に当たった。 |
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インダ | すぐ 直ちに 早く |
インダイジコ=早く行ってこい。 | |
インチャ | 土 | インチャアシビ=土遊び、土牛などを作って遊ぶ。アァインチャの項に詳記あり。 | |
インチャァ | 「えっ、あっ」などのように、思い出した時(瞬間)に発声する。 インチャァウガシアティヨ=あっそうだったよね。 |
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インニャ | 糞のこと | インニャゴ=糞布、おしめ、おむつ。 インニャマイ=糞をする。 インニャクレアブン=糞食い虻。 インニャクレガン=糞食い蟹。 |
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インニャァ | 皆 総べて |
インニャァネングナティ=全てなくなって。 正月唄
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インヌウェイ | 縁の上 | 表間の板張りの縁。 | |
インベェ | 麦粒腫 ものもらい |
犬の糞の意。 | |
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