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更新日:2013年11月30日

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第4回 徳之島農業青年クラブ連絡協議会副会長 太 勇也 氏

テーマ:徳之島農業の現状と将来について

〔徳之島農業の現状について〕

対談する高岡秀規町長(手前)と太勇也氏(町長)徳之島農業は、ここ2~3年間、サトウキビの不作が続いている。交付金がある事でサトウキビ農家は守られているが、交付金制度が永遠に続くとは言い切れない。町では、無償苗の提供や生産農家への助成などの予算を確保し、農家負担の軽減を図り収入増に結び付くよう取り組んでいる。

(太)そのような制度を継続して頂くことは、農家にとって有難いことだと思う。

(町長)農家支援の一環で作ったのが「TMRセンター」であり、畜産農家が機械の更新を気にする必要が無くなることによる、農家負担の軽減を目指している。

一方、補助金漬けでも農家は育たない。農業をする若者が増えていないのが現状だ。島の場合、ハウスでも露地栽培でも、夏から秋は台風などの自然災害への対策に追われ、本来の農作物育成に注力できず諦めが生じてくる。せっかく、補助事業を導入してハウスを建てても、生産する作物が限定されるため収入源が偏りがちだ。

(太)5アールのハウスでマンゴーなどを栽培しているが、商品を売るのが一番難しい。

(町長)どのような農業に取り組んでいるのか?

(太)父親が大規模なサトウキビ栽培農家だが、父とは別経営で行っている。但し、農業機械に投資するのは負担が大きいので、父と賃貸契約を結んで機械等を借りている。島の気候にはマンゴーが適していると考え、マンゴー栽培を始めた。父親もサトウキビから園芸に切り替える必要があると考えており、新規就農に向けて応援してくれた。マンゴーの栽培で基盤を作り、島の気候を生かした露地物を生産して行きたいと考えている。

(町長)露地物では、どのような果樹を?

(太)比較的、台風や塩害に強いと言われるパイナップル、加工用にパッション、島では生産農家のいないリュウガン(竜眼)などの試験栽培をしている品種もある。

〔農業の6次産業化について〕

(町長)加工用のパッションとは?

(太)果樹そのものを出荷するのではなく、食品の調味料として利用できるよう加工する。

加工も自分たちで行い、農場を観光農園として活用できるように持って行きたい。

(町長)町としても農業の6次産業化を目指しているが、利益を出せるような島外への売り込み方法が課題だ。

対談する高岡秀規町長(太)島外へは、マンゴーのギフト用出荷を見込んでいる。

(町長)マンゴーは、収穫できるようになるまで年数が掛かるが、タイムスケジュールはどのように立てているのか?

(太)既に苗木を育てており、3年目からの収穫を見込んでいる。今年度は、ハウスの整備事業を導入し、10アールの栽培面積を確保する。父もマンゴー栽培を始める予定で、併せて20アールのマンゴーハウスを建設する。

(町長)ブランド化し共同販売しているマンゴーもあるが、生産者組合に加わる考えは?

(太)共同販売している商品は、複数の農家が生産したものを持ち寄るため、正直なところ品質にばらつきがあると感じている。光センサー糖度計(非破壊果実糖度計)などを導入している生産者団体なら品質を保てるが、計測機械が高額なこともあり、そこまでできていない。自分で販路開拓を目指したい。

(町長)個人では限界があるのでは。品質をどのように保つのか?

(太)自分自身が管理しているハウスで栽培した農作物なら、色つきなどの外観でおおよその糖度や品質が分かる。

対談する太勇也氏(町長)品種や生産量が増えれば、課題も多くなるが?

(太)品質の良いものを出荷し、出荷できない物は加工に回す。

(町長)加工用は値段を下げないとなかなか売れない。

(太)マンゴーの生産と販売で収入を安定させ、パッションなどの加工品で雇用に結び付け、全体の収支が合えば良いと考えている。

(町長)農業の6次産業化が目標?

(太)そうです。

〔徳之島農業の将来について〕

(町長)将来的にはどのような農業が望ましいと考えるか?

(太)若手の果樹栽培農家を増やしたい。自分が島に帰ってきた時に、若い果樹農家があまりにも少ないと感じた。

(町長)果樹栽培は手間暇がかかる割に利益が少ないため、途中で諦めてしまう。それだけ意欲があるなら、農業青年クラブ(4Hクラブ)の会長を続けてはどうか。

(太)本町の4Hクラブは畜産農家主体だが、(島内3町の4Hクラブで作る)徳之島農業青年クラブ連絡協議会には果樹農家の仲間がいることもあり、役員は続けている。

(町長)町の農業政策への要望は?

(太)研修制度を充実してほしい。例えば天城町には研修用のハウスがあり、果樹栽培の研修を受けることが出来る。

(町長)研修制度で自立できるようになる?

(太)1年目は給与の給付があり、2年目から農作物の出荷で生計を立てて行くことを目指す制度で、本町にもあれば新規就農を目指す若手農家の育成につながると思う。

対談する高岡秀規町長(左)と太勇也氏(町長)町がハウスを建設するなどの事業を検討したが総額が少なく、様々な制度を調べている。

(太)果樹農家は機械への投資は少なくて済むが、施設などの設備投資が必要だ。単収の高い品種を推進する必要がある。

(町長)そのためにも、農業後継者の結束が必要であり、4Hクラブなどの組織でリーダーシップを発揮してほしいと思うが?

(太)各町の4Hクラブ員もそれぞれ、農業で頑張ろうと取り組んでいる。

(町長)是非とも4Hクラブを活性化し、若手農家が“4Hクラブに入っているおかげ”と言えるような組織作りをしてほしい。

(太)積極的に活動するメンバーが限られている面があり、組織の再編に取り組む必要があると考えている。

(町長)4Hクラブとして、取り入れてほしい研修制度などは?

(太)仲間とは、共同で栽培したバレイショの収入で島外へ研修に行こうと話している。自分達で活動資金を捻出するような気持ちが無ければ、生産農家は自立できない。行政に頼るだけではなく、自分たちのことは自分たちでどうにかするという気持ちで頑張りたい。町には、農家の現状を反映した制度面での環境整備を進めてほしい。

(町長)農業振興は町の重要施策であり、夢を実現できるよう頑張ってほしい。本日は、誠に有難うございました。

太 勇也 氏 略歴 太勇也氏写真


1990年(平成2年)8月 徳之島町花徳生まれ。
東天城中、徳之島高校を経て鹿児島県立農業大学校果樹科に進学
2011年(平成23年)4月 大学卒業と同時に新規就農。
2012年(平成24年)6月~2013年5月 徳之島農業青年クラブ連絡協議会会長。
2013年(平成25年)6月~ 同協議会副会長。
サトウキビ(140アール)とマンゴー(5アール)を中心に、野菜などを栽培(2.5アール)。島に未導入のリュウガン(竜眼)を試験栽培するなど、新規品目の開発にも積極的に取り組んでいる。

お問い合わせ

所属課室:企画課広報統計係

鹿児島県大島郡徳之島町亀津7203番地

電話番号:0997-82-1112

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