藻そう類るいもよく育ちます。中でも3〜4月ごろにサンゴ礁全体に広がるアオサノリは、みそ汁に入れたり天ぷらにするととてもおいしく、香りも良いため、旧暦3月3日の大潮の日には、アオサを摘む風景があちらこちらのサンゴ礁で見られます。▲ サンゴ礁内の⾊鮮やかな⿂たち(チョウチョウウオが泳ぐその奥には、マイクロアトールという潮が引くと海面にできる⼩さな環かん礁しょうが見える)▲ いざり漁で⼈気があるシガリ(シマダコ)▲ 3、4⽉ごろに見られるアオサ摘み (アオサは吸い物や天ぷらにして食べるととてもおいしい)ガニ、甲羅や脚あしに巻き毛をもつイソクズガニ、イノー(方言。リーフの内海のこと)などでも見ることができるソデガラッパ、ナガウニ類と共生しているシマヤドリエビといった甲こう殻かく類るいを見ることができます。サンゴ礁内には、上記の甲殻類はもちろん、ほかにも数多くの種類の生き物が暮らしています。潮の満ち引きでサンゴ礁が広がったり、海面下に沈むことでその多様性がさらに増しています。またサンゴ礁内には、大型の肉食魚がいないことや太陽の日差しが良いため、ミノカサゴやハリセンボン、ルリスズメダイ、チョウチョウウオ、ハゼ類など色鮮やかな魚たちが泳ぐ姿を見ることができます。釣りの対象魚であるカンモンハタ、ミナミクロダイ、ボラ、アイゴ、ヒメジ、カスミアジなどの魚も多く、礁内で釣りを楽しむ人もよく見かけます。また、ウニの仲間であるナマコがたくさんいますが、海の掃除屋の役割を果たしています。1年間に10トントラック1台分の砂泥を口から取り入れ、有機物を吸収することで、海をきれいにしています。ヒトデも海の掃除屋で、魚の死骸などの有機物を食べてくれます。ヒトデは、水槽の掃除屋としても飼われています。サンゴ礁内には上記の魚やウニなどのほかにも、食用として人気のあるマキガイや夜光貝といった貝類や、方言でシガリと呼ぶシマダコやワモンダコなどの宝庫でもあります。ただし、何でも食べられるわけではなく、ヒョウモンダコのように猛毒のタコもいますから、注意が必要です。16『自然編』の第3章2.サンゴ礁域の生き物と人々の暮らし、同3.徳之島の川や海のエビ・カニ・ヤドカリたち
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