2徳之島の特徴的な動物▲ 深い森と川に恵まれた徳之島▲ アマミノクロウサギ▲ 「白タビ」タイプのアマミノクロウサギ数百万年前、琉球列島が大陸から離れ、約100万年前には沖縄島と徳之島や奄美大島などが分かれたと推測されています。このため徳之島と奄美大島は似たような固こ有ゆう種しゅが多く見られ、沖縄との共通種は少ない傾向があります。徳之島に特徴的な動物には、徳之島の固有種であるトクノシマトゲネズミ、オビトカゲモドキ、奄美大島・徳之島固有種であるアマミノクロウサギ、オリイジネズミ、ハブ(奄美・徳之島型)、オオシマトカゲ、アマミアカガエル、アマミハナサキガエルがいます。このほかトカラ列島と奄美・徳之島固有種のアカヒゲ、沖縄との共通種であるハイ、鹿児島県の天てん然ねん記き念ねん物ぶつにも指定されているイボイモリなどがいます。この中から代表的な5種を紹介します。アマミノクロウサギは、大正10年に天然記念物に指定され、昭和38年、特別天然記念物に格上げされました。アナウサギの仲間ですが、近きん縁えん種しゅは確認されておらず、⻑ちょう江こう(中国中央部を流れる大河)下流域で化石が見つかっているだけです。巣穴は岩の多い地形に多く、奥行きは2mほどあり、内部は複雑で出口がいくつかあります。母ウサギは、子ウサギと一緒に暮らすことはなく、二日に一度、授乳の時だけ巣に戻り、終わるとハブなどが入らないように巣の入り口を粘土で埋めます。林道などではゆっくり動く様子が見られますが、草むらに入るととても速いスピードで移動するそうです。普通は⿊色をしていますが、母間から美み名な田だ山周辺には足先が白い通称「白タビ」と言われるクロウサギを見ることができます。10アマミノクロウサギ動物・植物・昆虫
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