徳之島学へのいざない―とくのしま今昔―
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通つじ岳(496m)、美み名な田だ山やま犬いぬ田た布ぶ岳だけ島町は、奄美大島の湯ゆ湾わん岳だけ全ての高峰を一望できる位置にあります。第1章1徳之島の特徴図1:琉球列島を挟む海溝と南海トラフ (http://dges.es.tohoku.ac.jp/iryulab/research7.htmlを改変して成尾英仁作成)(産業総合研究地質調査総合センター2009「20万分の1地質図幅」をもとに成尾英仁作成)図2:プレートの沈み込みと沖縄トラフの形成 図3:徳之島の地質略図 徳之島は面積250㎢、日本で11番目に大きな島です。種子島付近から与那国島まで1,300㎞にわたって弓なりに連なった琉りゅう球きゅう弧こと呼ばれる地域にあります。東側に水深6,000mもある琉球海かい溝こう、⻄側に沖縄トラフと呼ばれる深い海に挟まれています(図1)。また、島の中央部をほぼ南北に天あま城ぎ岳だけ(海上保安庁第11管区海上保安本部の図に加筆して成尾英仁作成)地質は、約1億年前に海底にたまってできた砂さ岩がん、泥でい岩がん、それらが圧力で粉砕されたメランジ岩石、花か崗こう岩がんの塊が基盤になっています。ユーラシアプレート境界の海底部分に、フィリピン海プレートが潜り込むことによって少しずつ持ち上がり、そこに6,000万年前にマグマだまりが冷えてできた花崗岩や、フィリピン海プレートで運ばれてきた枕まくら状じょう溶よう岩がんやメランジ堆たい積せき物ぶつが加わって地表に現われました(図2)。そこへ約100万年近く前から成⻑を開始した石灰岩層が、南部を中心に厚い層をなしています(図3)。なお、花崗岩が島の下から突き出すように出ているため、他の島々は琉球弧に沿って北東方向に傾いているのに対し、徳之島だけはほぼ真北を向いています。(533m)、三さ方そん(438m)、井之川岳(645m)、(417m)などの山々が連なっています。徳之(694m)を含め奄美群島の徳之島の東部と南部には、緩やかに傾いた台地が広がっていますが、そこはかつて海岸だったところです。台地は石灰岩の層で数段に分かれています。もっとも高い段だん丘きゅうが大おお原はらから八や重え竿ぞうにかけた標高240mの地域です。中位の段丘面が110m〜50mほどの位置にあり、徳之島層徳之島花崗岩泥岩砂岩砂岩泥岩互層泥岩及び砂岩チャート珪⻑質凝灰質岩破断した砂岩泥岩互層玄武岩溶岩及び火砕岩砂岩・泥岩からなる混在岩8海面変動第四系古第三系白亜系尾母層・秋利神川層砂岩泥岩互層砂岩・片状砂岩粘板岩・千枚岩破断した砂岩泥岩互層玄武岩溶岩・火砕岩破断した混在岩蛇紋岩手々層・与名間層地形と地質徳之島町のようす

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